今年のモード
身近な自然界における勢力争い、ことに野草界においては、様々な気候的条件と運(うん)に左右されるらしい。気温、降雨量などはもちろん、人間によって刈られるタイミングにもよる。
田舎では夏になると、おじさん達がせっせと草刈り機をフル回転させ、そこら中の草を刈る。そんな草刈り合戦の中を勝ち抜き、生き延びることができるかどうかは運任せである。成長期に刈られてしまうとその年はお目にかかれない。しかし、根が残っていれば翌年も芽吹く。運よく刈られた後に葉を伸ばし、つぼみをつければ花開くことができる。
今年の野原や道端に目をやると、どうやらマツバウンランが勝ち組みらしい。
我が家の庭においても、一昨年前に持ち込まれたマツバウンランが今年のモード。移植して2年目までは保護対象になるが、3年目からは自立していただかなくてはならない。
また、毎年適度に茂り、抜きたい時は抜きやすく、私的に大変重宝しているのがコメツブツメクサ。丈が高くならず、緑の期間も長く、花もかわいい。草を生やしたくないところにこれを増やせば、地面を覆ってくれる。水やりなどの世話も不要。
しかし、どんな条件であれたくましく生き残るのが、○○カヤ、○○スゲ、○○シバといった、野草の王様?抜こうが刈ろうが薬漬けにしようがへこたれない。だれからも見向きもされない嫌われ者。だけどそんな奴らがこの地球の緑を支えているのだと思う。